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いろいろなキノコ、その効能

Ken Babal氏による寄稿 (抜粋訳文)

EMPERORS CONVENE FOR OPTIMUM HEALTH AND LONGEVITY

ビタミンとミネラルが、病を防ぐことはよく知られおり、同様に植物も健康を保つのに用いられていますが、健康と病気予防にはもう一つ有用なカテゴリーがあります。それはキノコ類です。キノコは菌界に属し、動物界や植物界とは別の第三の生物群とも言われています。菌類は植物でも動物でもないユニークな性質を持っており、幅広い範囲で健康管理に役立っています。

キノコは身体に必要な栄養素と健康維持成分がたくさん含まれています。特に効果的なのは複合糖質多糖類であるβグルカンで細胞性免疫の活性化を促します。一般に、炭水化物はエネルギーを提供する役割を果たすと考えられていますが、研究によると炭水化物の中には、分子認識と細胞間通信に関わるものもあることがわかっています。また、βグルカンは麦やイースト等の食物にも含まれていますが、キノコのβグルカンの化学構造および効用とは異なります。

キノコは日本と中国では何千年もの間、健康維持、免疫効果と長寿のために使われてきました。数多くの古典的なハーブ薬剤の主成分、いわゆる最高位であると考えられてきました。現在、多くの科学的研究がキノコの有効性を立証しています。研究や臨床試験を通してキノコの抗アレルギー、抗菌、抗炎と抗ウィルス効果、細胞のインスリン敏感性をも改善することが確認されています。

中でも抗がん研究で注目されているキノコエキスはマイタケD-フラクションでしょう。D-フラクションはβグルカンがT-細胞、B−細胞、マクロファージ、ナチュラルキラー(NK)細胞などの免疫担当細胞を刺激します。また、2011年、マイタケD-フラクションがBAK-1を含む22個のアポトーシスに関連する遺伝子を発現したという研究が発表されました。研究者グループはマイタケD-フラクションがBAK-1遺伝子発現によって乳がん細胞に対して強力な抗がん特性を持っていると結論付けました。この結果は、D-フラクションが通常の免疫効果促進、抗酸化剤やアポトーシス誘導因子とは違う特異のカテゴリーであるという意義深いものです。

マイタケからは、インスリンの感受性を高めるグリコプロティンも得られます。SX-フラクションと呼ばれるこの画分は、前述のD-フラクションと全く別の化合物であり、2007年に糖尿病, 高血圧、肥満 、高脂質血症に対しての効果があることが研究発表されています。米国ジョージタウン大学ではSX−フラクションが糖尿病モデルラットの空腹時血糖値、血圧と体重を下げることを証明しました。そしてSX−フラクションを給与した高血圧ラットは糖分の高い餌を食べてもインスリン抵抗性が高じませんでした。さらに臨床試験では2型糖尿病患者が2ヶ月間SX-フラクションを摂取した結果、空腹時血糖値、中性脂肪、インスリン値と体重がそれぞれ減少しました。
霊芝は薬用キノコの中でもたいへん高く評価され、アンチエイジングの強壮剤として処方さています。中国では神薬といわれ、心の安らぎと人生の意義を変えると考えられています。東洋では霊芝は心血管機能をサポートするとされ、悪玉コレステロールを減らすために使用されています。動脈硬化症、咽頭炎等息切れを起こす冠状動脈性疾患の予防と治療にも効果があると確認されています。

霊芝にはテルペノイドというステロイドに似た化合物が含まれており、炎症やアレルギー症状の原因となるヒスタミンを抑制する役目があります。薬用テルペノイドは脂溶性でアルコール抽出により濃縮されます。

ヤマブシタケは日本や中国では広く分布し、食用キノコとしても重宝されています。ヤマブシタケに含まれるヘリセノンという化合物は神経成長因子(NGF)を刺激し、神経細胞を再生することができます。さらにヤマブシタケから分離されたアミロバンと名づけられた脂溶性画分は、アルツハイマー病患者の脳内に生じる有毒タンパク質、アミロイドβペプチドから神経細胞を保護する機能が確認されています。

中国薬科大学で行った実験ではヘリセノン(0.5%)とアミロバン(6%)を含む標準化エキスアミセノンとアルツハイマー病に主に処方されるドネペジル(アリセプト)を比較しました。水迷路実験の結果、アミセノンを与えたマウスは供与量レベルによりアリセプトを与えたマウスとほぼ同じかやや早く課題をクリアする結果が得られています。二重盲検法プラセボ対照試験ではヤマブシタケが軽度の認知障害と診断された患者に有効であることが実証されています。

他にアガリクス、冬虫夏草、シイタケ、シロキクラゲ、メシマコブ、チャーガ、カワラタケとブクリョウなどがよく研究されているキノコですが、日本でブームになったアガリクスは、抗腫瘍、抗ウィルス、コレステロール低下、血糖維持と免疫力を高める効果があります。冬虫夏草は肺を強化し、労働や運動のためにエネルギーを必要とする方に最適で、なおかつ強力な性的強壮剤の一つと考えられています。シイタケは世界で最も研究されているキノコであり、日本で詳細に研究、使用されているLEMとレンチナンという物質が含まれています。シロキクラゲは皮膚の保湿にすぐれ、美容に役立ち、体の内外に有用なキノコです。ヒアルロン酸と比較するとシロキクラゲの保水性の方がすぐれており、シロキクラゲはその重さの500倍の水の重さを貯えることができると言われています。

メシマコブは抗乳がん効果があることで注目を集めています。米国インディアナ大学の研究者達はメシマコブの抽出物は乳がんの成長と浸潤的な動きを抑制する事を発見しました。

チャーガは1968年に発行された小説「がん病棟」により薬用キノコとして高い評価を受けています。ロシア医学ではチャーガで作られたお茶を潰瘍と結核を治療するために使用し、さらに腫瘍の防止のためにも使用しています。

1970年代半ばから、カワラタケとその成分の免疫強化効果は、日本で400以上の臨床試験を通して広く研究されています。PSK(商品名:クレスチン)はカワラタケを原料にし、主に日本と欧州で売られている抗がん剤のベストセラーの一つです。

ブクリョウは、中国で伝統的に脾臓と腎臓の強壮剤として非常に人気があり、さらに中国伝統医学にある6つの悪性外的要因の一つ“湿気”を除去する効果があると言われています。

21世紀の健康維持の為に、皆様のヘルスプログラムにキノコ(サプリメント)を入れることをおすすめします。

Ken Babal has a clinical nutrition practice in Los Angeles and is author of Mushrooms for Health and Longevity (Books Alive 2011).

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